デーツとなつめ その違い知っていますか?
健康志向の高まりとともに注目を集める「デーツ」と「なつめ」。
見た目は赤褐色の小さな果実で乾燥させて利用する点も共通していますが、実際には植物分類・栄養成分・利用文化のいずれも大きく異なります。
- デーツ(ナツメヤシ, Phoenix dactylifera)
- 科:ヤシ科
- 樹形:高木(20m以上になる)
- 果実:楕円形、長さ3~7cm、糖度70%以上になることもある。
- 原産:中東・北アフリカの乾燥地帯。

- なつめ(クロウメモドキ科ナツメ属, Ziziphus jujuba)
- 科:クロウメモドキ科
- 樹形:落葉小高木(5~10m程度)
- 果実:直径2~3cmの卵形~球形、糖度は25~40%前後。
- 原産:中国西北部~中央アジア。
デーツはヤシ科、なつめはクロウメモドキ科で全く異なる植物です。
栄養学的には、、、
- デーツ
- 主成分:ブドウ糖・果糖が中心で、乾燥果では糖質が全重量の70%以上。
- ミネラル:カリウム(100g中600mg以上)、マグネシウム、鉄が豊富。
- 食物繊維が豊かで、整腸作用や血糖コントロールに寄与。
- 抗酸化物質としてフラボノイドやフェノール酸も含む。
- なつめ
- 糖質はデーツほど高くなく、穏やかな甘さ。
- ビタミンCがドライフルーツとしては比較的多い点が特徴。
- サポニンやフラボノイド、トリテルペノイドなどの機能性成分を含み、抗酸化・抗炎症作用の研究が進む。
- 漢方薬理学的には「補血・健脾・安神」の効能が記載される。
文化的利用方法は、、、
- デーツ
- 古代メソポタミアやエジプトで紀元前から主食・甘味料として利用。
- イスラム文化圏ではラマダンの断食明けに食べる習慣があり、エネルギー源として重要。
- 近年は「天然のエナジーフード」として欧米、日本でも人気。

- なつめ
- 中国で4000年以上の栽培歴史。『神農本草経』にも上品薬として登場。
- 漢方薬、薬膳料理、お茶として広く利用。
- 日本でも古墳時代の遺跡から利用の痕跡があり、江戸時代には庭木や生薬として導入され、現在も漢方薬の材料に使用。

- デーツ=ヤシ科、砂漠の栄養源、糖質とミネラルに富む。
- なつめ=クロウメモドキ科、アンチエイジングに特化した薬膳スーパーフード、ビタミンCや機能性成分が特徴。
見た目は似ていても、生物学的にも文化的にも別物です。
デーツは「即効性のエネルギー食」、なつめは「じんわり効く健康果実」と言えるでしょう。
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